たけ屋でのアルバイトは高校生の時で、私にとって生まれて初めてのアルバイト経験でした。

中学校の時に、当時は数少ない不登校児の一人であった過去を持つ私にとって、人と接する、ましてや人と接することを仕事とする接客業なんて恐怖でしかありませんでした。いわゆる私は対人恐怖症だったのです。

しかし働かなければならない私にとって、交通の便や時間のことを考えると、たけ屋が都合の良い条件だったのです。

実際に働き始めると、やはり人が怖い。

お客さんも、一緒に働く現場の人も怖い。
ホールから逃げるように洗い場で皿洗いに専念する毎日でした。

そんな中、一緒に働くパートさんの優しい声かけや、元気よく且つ気を遣ってくれるアルバイトの方たちの温かいサポートを受けながら、徐々に周りの人に対して心を開けるようになりました。
自分から心を開いたというよりも、むしろ一方的に拒んでさえいた私の心を周りにスタッフが温かく溶かしてくれた、そんな感覚でした。少し無茶ぶりなとこともありましたが。(笑)

そこから芽生えたのが、たけ屋に対する「安心感」でした。

自由な風潮があり、仕事中だけでなくプライベートの時間でも仲良くしてくださった先輩たちには感謝しており、今でも良い思い出です。

たけ屋の一番の特徴は、スタッフみんなが家族のようだということです。

時間が経ち、ようやく人前で笑えるようになった私は、働くことが楽しくなってきました。

そして気付いたことは、こんな自分でも笑顔で人に接すれば相手も喜んでくれるということです。

今は違う職場で正社員として働かせてもらっていますが、たけ屋で培った接客への自信は今に役立っています。
お金を稼ぐことは大前提ですが、私の場合、それ以上にいろんな経験をさせてもらった場所でした。