学生の時の四年間、たけ屋でアルバイトをしていました。もともと飲食業に興味があったのと良いご縁が重なりたけ屋で働き始めました。

印象に残っている一つとして、当時、口コミ隊という、我々スタッフに予告なしでお客様として店を訪れ、味・接客・雰囲気等に対して様々な評価をしていただくという企画がなされたことです。

のちに、良い点、改善すべき点が店のほうに送られてくるのですが、スタッフ全員で改善すべき点について話し合い、改善に向けていろいろ実践したことを覚えています。

この改善によってお客様の数が目に見えて増加していったときは嬉しいものでした。

また、カウンターのお客様を前に釜の前でうどんを作る仕事をさせていただいたのは今の仕事に役に立っています。

当時カウンターに座るお客様に良い点、悪い点を指摘していただくことで、大将にはその都度、何が良いのか悪いのかと自問するようにアドバイスされていました。

それにより、ものを作るときは、常に自問自答する癖がつきました。

作り手としては、本来料理ばかりに目が行く傾向にありますが、
私の場合、当時大将から教わった、
お客様一人一人の特徴、例えばAさんは濃い味を好み、Bさんは薄味を好む、など、
把握する「技」を身につけられた気がします。